「口の中に潜む恐怖」という本が翻訳されてから、患者さんから「私の口の中にアマルガムがありますか?」、「アマルガムがあると、水銀中毒になってしまうのですか?」等と相談されるようになりました。私も、その本を読みましたが、アマルガムに関して少しヒステリックになりすぎているように感じてなりません。確かに、アマルガムには水銀が含まれていますが、それらの水銀が多量に溶け出して体内に吸収され、水銀中毒になるとは考えにくいのです。事実、アメリカ医師会は、「READER’S GUIDE TO ALTERNATIVE HEALTH METHODS」の中で、“アマルガムによる水銀中毒の危険性を理由にアマルガムを除去することについて”疑問視しています。私も、同意見です。
しかし、「アマルガムは、まったく安全な材料か?」というと、そうとも言い切れない側面もあります。
アマルガムは、他の金属と比べて金属アレルギーになりやすいようです。島津恒敏医師は、平成13年の水銀国際会議で「アマルガムとアトピー性皮膚炎の関係」について発表しています。アマルガムを除去して他の金属やレジン(合成樹脂)に替えたところ、1年後には約70%が改善したそうです。
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