スポーツ外傷のセルフケア

<首の痛み>

まずは、自分のスイングプレーンをチェックしてみましょう。スイングプレーンを説明する際にアップライト(立っている)とかフラット(寝ている)という言葉を使います。スイングが、アップライトになっていませんか。石渡俊彦プロによると、日本人のゴルファーにはアップライトなスイングプレーンになっている人が多いそうです。自分の身長に適したスイングプレーンよりも、10~15センチも身長が高い人のスイングプレーンになっているのだそうです。このようなスイングプレーンは首を痛める原因となるので注意が必要です。

ゴルフクラブを胸の位置で真横にテークバックすると、頚椎もまっすぐなままです。頚椎の椎間関節は、左右ともに上関節突起と下関節突起の間に十分な距離が確保されています。そのため、首をスムーズに回すことができます。しかし、ゴルフクラブを斜め上に上げていくと頚椎が左側に傾きます。すると、頚椎の椎間関節は、左側が上関節突起と下関節突起の間の距離が詰まり、頚椎の動きが制限されるようになります。そのため、首が回りにくくなります。このような姿勢で無理にスイングすると、首を痛める原因となります。

丸山茂樹プロは、一時期、首の痛みで悩んでいたのですが、トップの位置をコンパクトに変えてスイングを改善したら痛みが消え、スイングも安定したそうです。首の痛みに悩まされているゴルファーは、トップの位置をチェックしてみることをお薦めします。

図1 環軸関節

 

次に、首の痛みのセルフケアについて説明します。マッケンジーエクササイズとキネシオテーピングを紹介しますが、マッケンジーエクササイズから説明します。

首を動かすと途中で痛みが始まり、腕の痛み、しびれ、違和感があるようなごく最近始まった首の痛みは、椎間板の変形が疑われるので、整形外科を受診した方が良いかと思います。その他の首の痛みは、セルフケアの適応です。

首を動かすと最後に痛みを感じ、長く続いている首の痛みには、短縮した軟部組織のストレッチが有効です。痛みのある方向にストレッチをしましょう。軽い痛みを感じるところまでストレッチをしましょう。10回を1セットとして、1日10セットが目安です。

首を動かしても痛みがなく、首のこりや背中の重さを伴う長く続いている首の痛みには、悪い姿勢の矯正が有効です。まず、脊椎起立筋を完全に弛緩させて顎を出した姿勢(0%姿勢・図6)をします。そして、次に、脊椎起立筋をできるだけ収縮させて腰椎をできるだけ伸展させ、顎を引いた姿勢(100%姿勢・図7)をします。これを10回繰り返し、最後に100%姿勢になった後に20%ほど力を抜いて80%姿勢(図8)になります。

図2 首の屈曲ストレッチ

 

図3 首の伸展ストレッチ

 

 

図4 首の側屈ストレッチ

 

 

図5 首の回転ストレッチ

 

 

図6 0%姿勢(⑨より引用)

 

 

図7 100%姿勢(⑨より引用)

 

 

図8 80%姿勢(⑨より引用)

 

 

最後に、テーピングについて説明します。背中の痛みを訴えているゴルファーがかなりいらっしゃいます。それは肩甲骨を固定し、安定させている下部僧帽筋が疲労しているからです。その場合、大胸筋と下部僧帽筋にキネシオテープをすると効果的です。

<大胸筋テープ>

・幅5センチのテープを長さ17センチに切り、一端に17センチの切り込みを入れます。

・肘を軽く曲げて肩を前方にすぼめた状態で、上腕大結節(腕の付け根で骨が一番丸くなったところ)の骨の出っ張りにテープの基部(切り込みがない方)を貼ります。

・腕を後方に引いて胸を開いた状態で、テープのY字の上端を鎖骨に沿って胸骨の方に貼ります。

・さらに、腕を後方に引いて胸を開いた状態のまま、Y字の下端を乳首の方に向かって貼ります。

図9 大胸筋テープ

 

<下部僧帽筋テープ>

・幅5センチのテープを長さ27センチに切り、一端に24センチの切り込みを入れます。

・反対の手でテープを貼る方の肩に手をやって、中指の先端が触れた部分(肩の中央からやや背中によった部分)にテープの基部(切れ込みがない方)を貼ります。

・テープの基部を貼ったら、一方の肘を反対側の手で抱え込んで、背中の筋肉を伸ばします。その状態で、テープのY字の一端を肩甲骨の下部の方へ下ろして貼っていきます。

 

図10 下部僧帽筋テープ

・その状態のまま、Y字のもう一端を背中の方へゆるやかなカーブを描いて貼っていき、先のテープの先端部に重なるように貼ります。

 

 



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