ポジティブ・イメージトレーニング                   岡永顎咬合整体研究室

歯がないと運動能力が低下する?

<噛み合わせで飛距離が伸びる?>

スポーツ歯科の分野では、「マウスピースを入れてかみ合わせを高くすると、スポーツのパフォーマンスが向上する」と言われてきました。しかし、実際のところ、通常のマウスピースはあまりかみ合わせを高くしないので、その効果は不安定でした。


               マウスピース

しかし、テンプレートの場合、15ミリほどかみ合わせを高くするので、以下のような効果が期待できるようです。テンプレートにより、飛距離がアップするようです。

               テンプレート

@姿勢が安定してバランス能力が向上する。
A筋力が向上する。
B反応スピードが早くなる。

検証の結果、ゴルフの場合、姿勢が安定してバランス能力が向上することがスイングの改善につながり、飛距離が伸びているものと思われます。
     

<噛み合わせと健康長寿>

8020運動は、「日本人の平均寿命である80歳まで自分の歯を20本以上保とう」という運動で、1989年から開始されました。元々は、8020運動の20本という数字は食べる機能から導き出されたものです。しかし、スポーツ歯科の立場では、単に食べる機能が向上するということだけでなく、運動・スポーツがよりしやすくなるという身体機能の向上も重要な関心事となります。
東京都杉並区では、80歳の高齢者を対象に対面調査を行ない、歯の本数と外出可能な身体運動能力を比較しました(図1)。その結果、8020達成者では身体運動能力が高く、行動範囲が広くなっていることが示唆されました。


      

図1 現在残っている歯の数と外出状況


また、「週に1回運動する」と回答した「運動習慣あり」の住民と、「運動をまったくしない」あるいは「運動をほとんどしない」と回答した「運動習慣なし」の住民の無い歯の数を比較したら、いずれの年代においても「運動習慣なし」の住民がより歯が無いことが分かりました(図2)。


 

            図2 運動習慣の有無と喪失歯(無い歯)の数

高齢者の生活活動動作(生活の中での身体の動作)も歯や噛み合わせと関連があることが知られています。成人期以降の生活活動動作を起居動作(寝ている状態から起き上がる動作)、歩行動作(ジグザク歩行)、手腕作業動作(ボードにペグを差し込む動作)、身体作業動作(自分で両端を持ったロープを踏み越え、背面から再び前面に回す動作)に分類して、それぞれの動作に要した時間を測定しました(図3)。その結果、起居動作や歩行動作などは、「総咬合力が良好な人ほど動作時間が短い」という傾向が示されました。総咬合力は、最大の力で噛み合わせた時に全部の歯にかかる力です。

 

 

図3 総咬合力の段階と生活活動動作時間の比較  

 
高齢者になると、ちょっとしたことで転倒して骨折しやすくなり、その後、寝たきりの状態になる可能性があります。転倒の要因は幾つか挙げられますが、その一つとして身体の揺れ(重心動揺)が挙げられています。この重心動揺にも、噛み合わせが関連しており、上下の歯が噛み合わさった時に生じる接触面積の広い人ほど重心動揺が少ないことが示唆されています(図4)。

 

 

        図4 上下の歯の接触面積別重心動揺の平均(重心動揺距離)

 厚生労働省が、65歳以上の愛知県在住者1763人を対象に咀嚼機能と転倒リスクについて3年間の追跡調査をしています(図5)。その結果、歯がほとんどなく、義歯(入れ歯)を使っていない人は、歯が20本以上残っている人と比べて、転倒するリスクが2.5倍高くなりました。それに対して、歯がなくても義歯を使用している人は1.36倍と転倒リスクがかなり低くなっています。これは、歯がほとんどない状態で義歯を使用していないと下の顎が不安定になり、身体のバランスが崩れるためと考えられています。


        
            図5 残っている歯の数と高齢者の転倒リスク

従って、歯が残っていてきちんと噛める状態を維持することは高齢者になってゴルフを生涯スポーツとして続けていく上で大切なことです。

生涯現役ゴルファーで健康長寿を目指しましょう!


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