大阪府の吉村洋文知事が、「ヨードでうがいすると新型コロナの予防に効果がある?」とテレビで言ったので、ヨードが話題となりました。果たして、本当にヨードは新型コロナの予防に効果があるのでしょうか。
<京都大学の研究>
2005年に京都大学が次のような研究発表をしています。
ランダム比較試験で、A群「水うがい」、B群「ヨード剤(イソジン)うがい」、C群「うがいしない」の3グループに分けて2ヶ月間、「風邪が防げるか」調査をしました。その結果、A群が最も風邪の発症が少なく、B群とC群は同じくらい風邪を発症したそうです。
「風邪予防には、うがいが効果があるが、ヨードを使わない方が良い」ということです。
京都大学の研究は、風邪に対するものですが、インフルエンザや新型コロナなどについても同じようなことが言えるのではないでしょうか。
- <ヨード剤の罪>
- ヨード剤は、非常に強力な消毒作用を持っています。風邪やインフルエンザ、新型コロナなどの原因となるウィルスをやっつけることはできますが、口の中に住みついて微生物世界の秩序を保っている細菌達(これを、常在細菌叢と言います)までも根こそぎやっつけてしまうのです。
- そのため、口の中から正常は細菌叢までいなくなってしまい、丸裸の状態になってしまいます。そのために、かえって感染に対して弱くなってしまったのかもしれません。
- これは考えてみると、怖いことです。
- <お勧めするうがい法>
風邪やインフルエンザ、新型コロナなどの予防を目的に用いるうがい薬は、次のような条件を満たしている必要があります。
@正常な細菌叢をやっつけないこと。
A殺菌作用が期待できること
Bむし歯や歯周病、口臭などの予防にも効果が期待できること。
そのように考えると、歯科のうがい薬(薬用洗口剤)がお勧めです。
岡永歯科で使用しているうがい薬は、コンクールです。参考までに、市販のうがい薬をいくつか紹介します。
@リステリン・・・1,8シネオール、チモール含有
- Aコンクール・・・クロールヘキシジン
- Bモンダミン、クリニカアドバンテージデンタルリンス・・・CPC含有
