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 よくある相談

患者様の質問

 第11回千葉県歯科医学大会において、当院に寄せられた顎関節症の患者さんからの相談内容を発表しているので、参考の為に載せておきます。
<参考文献>
「顎関節症患者からの訴えに耳を傾けて」(岡永覚) 補綴臨床大36巻第1

 岡永歯科では、かねてより治療の傍らボランティアで、無料の「歯と顎の健康相談」を行ってきた(日刊現代2000224日号で、当院の健康相談が紹介された)。相談内容は、当院が顎関節症の治療に力を入れている関係上、顎関節症患者からの相談が多い。

 

1)歯科補綴治療(入れ歯や被せ物)が関連したと思われる相談

● 長時間、歯を抜いたまま放置しているケース
 歯が延びたり、斜めに傾いたりなど噛み合わせが狂っていることが多く、不適切な噛み合わせのまま行った歯科補綴治療により顎関節症になったと言う訴えが多い。
 歯科補綴治療後に顎関節症状(首、肩等の痛み)を訴えて来院した患者の模型。

● 激しい歯ぎしりが認めらるケース
 歯が磨り減って、噛み合わせが低くなっていることが疑われる場合が多く、不適切な噛み合わせのまま行った歯科補綴治療により顎関節症になったと言う訴えが多い。
 40代男性患者の治療前と治療1年目の模型。
 歯ぎしりによって、歯が著しく磨り減っている。上下に装置を入れ、噛み合わせを挙上してから歯科補綴治療をした。


● 審美歯科(美容歯科)治療によるケース
 十分な噛み合わせの診断をせずに不適切な噛み合わせの歯科補綴治療が行われ、顎関節症になったと言う訴えが多い。
 治療後に顎関節症状(顔面部等の痛み)を訴えて来院した患者のレントゲン写真。
 前歯にインプラントの治療を受けている。


2)歯科矯正治療が関連したと思われる相談

● 歯科矯正中に顎関節症が起こるケース
 治療が始まると歯ぎしりが激しくなり、「頭痛や開口障害などに悩まされるようになった」と訴えることが多い。

● 歯科矯正治療後に顎関節症になるケース 
 治療後に噛み合わせが変わり、「どこで噛んでよいのかわからなくなった」と言う訴えが多い。
 矯正治療後に顎関節症状(顔面部等の痛み)を訴えて来院した患者の模型。
 噛み合わせが戻っている。


3)咬合(噛み合わせ)調整が関連したと思われる相談

● 咬合(噛み合わせ)調整で顎関節症が悪化したケース
 いきなり多数歯に渡って噛み合わせの調整の為に歯が削られ、かえって病状が悪化したと言う訴えが多い。

● クラウン・ブリッジを外され、顎関節症が悪化したケース
 「いきなりブリッジ(取り外せない入れ歯)やクラウン(被せ物)が外され仮歯が入ったが、どこで噛んでよいのかわからなくなり、かえって病状が悪化した」と言う訴えが多い。


4)スプリント(治療用のマウスピース)が関連したと思われる相談

● 不適切なスプリントの使用によるケース
 「まともにスプリントの調整をしてくれないので、さっぱりよくならない」と言う訴えが多い。
  不適切な状態でのスプリントの長期使用は、噛み合わせを変えてしまうことすらある。

● スプリントを拒否するケース
 「嘔吐癖、舌痛症、不眠症などでスプリントを入れてられない」と言う訴えが多い。
 しかし、いきなり咬合調整をすると、トラブルになることが多いようだ。


5)家庭療法が関連したと思われる相談

● 歯ぎしりを止めるように言われても無理だと歌テルケース
 ストレスなどの心の問題をまったく無視して、ただ「歯ぎしりを止めるように」とだけ言われたと訴える内容が多い。
 心理療法的アプローチがまったくなされていないのである。

● 正しい顎の運動をするように言われても無理だと訴えるケース
 「開口訓練などの運動療法を、家庭で行うようにと指示されたが、よくならない」と言う訴えが多い。
 ほとんどのケースで、理学療法の治療計画すらがないのだから、効果を期待する方が無理である。


6)手技療法が関連したと思われる相談

● 歯が噛み合わなくなったと訴えるケース
 「顎関節の矯正をしたら、今まで噛み合っていた上下の歯がずれて噛めなくなった」と言う訴えが特徴的である。

● 顎が開かなくなったと訴えるケース
 「無理やり力任せに矯正されたので、とても痛かった」と言う訴えが特徴的である。


7)薬物療法が関連すると思われる相談

● 副作用による不快症状を訴えるケース
 「鎮静剤による眠気、筋弛緩剤による全身の倦怠感などの不快症状に悩まされている」と言う訴えが多い。

● 薬物依存性が心配だと訴えるケース
 症状がなかなか改善せずに、長期に渡って鎮静剤などを服用していることに対する不安を訴える内容が多い。


 以上のように、その内容は多岐にわたり、深刻なものも少なくなかった。このように顎関節症に悩む患者からの相談が多数寄せられた背景として、次の2点が考えられる。

● 保険制度の不備
 現行の保険診療のルールは、充分な顎関節症の治療ができないようになっている。
 したがって、診療費に関するトラブルも少なくない。
● 大学の講座制の弊害
 旧態以前とした縦割りの講座制では、学際的な総合教育が難しく、人材の育成ができない。

 顎関節症患者の訴えに耳を傾けていると、明確な咬合論(噛み合わせに関する学説)が確立していない現代歯科医学にジレンマを感じるようになった。

 
 
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